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奨学生の声 2020年度

東京都 Aさん

この度は給付型奨学生にご採用いただきまして誠にありがとうございました。産学協働学生支援協会の皆様に厚く御礼申し上げます。

私は幼少期から興味のあった自然科学分野に関しての勉学および研究が可能な大学に無事進学することが出来たものの、父が指定難病により早逝したことを契機とした家庭内における厳しい経済状況にいつも悩まされてきました。周囲の理解もあって辛くも修士課程に進学した後もそれは変わらず、貸与型奨学金減免の為に研究成果を必要としている一方で独り暮らしをする経済的余裕が無かったことから片道2時間を要して通学しつつ、アルバイトに追われていました。2020年は新型コロナウイルスの世界的な流行に伴って周囲の環境に大きな変化があった年でもあり、研究活動に関しても大学の入構制限や海外の調査地への渡航の中止といった厳しい状況が多々ありました。

しかし、今回奨学生に採用していただいたことで経済環境が大幅に改善されたことにより、研究に専念することが出来ました。就職活動との兼ね合いもあり先行きが不透明となってしまっていた状況において、生活費の心配が不要となったことによる精神的余裕から冷静に目の前のやるべき事に取り組むことが可能となりました。その結果、無事に第一志望群の一つであった団体から内定を頂くこと、修士論文を完遂した上で研究成果を発信することを両立するという成果に至ることが出来ました。

この一年を振り返ってみると、私は本奨学生への採用によって実り多い学生生活を送ることが出来たと言えます。今後、社会人としての生活を送る際にも自信の興味と理想を大切にしつつ、奨学生として採用していただいたことで今の自分がある、と胸を張っていけるように邁進していきます。改めまして、産学協働学生支援協会の皆様に厚く御礼申し上げます。

東京都 Kさん

この度は給付型奨学生の採用、奨学金援助をしてくださり誠にありがとうございました。産学協働学生支援協会の皆様には心から感謝申し上げます。

私は幼い頃から日本舞踊をはじめとした日本の伝統芸能に興味があったことから3歳から日本舞踊を継続しており、大学では日本舞踊を専攻し、将来は日本の伝統芸能を支えて発展させる継承者の担い手になりたいという思いで日々稽古や勉強に取り組んでおります。ですが母子家庭のために本格的に日本舞踊を継続し将来の担い手になるために勉強するとなると経済的に厳しいということ、また大学生になって伝統芸能を継続して取り組む人の中には経済的に裕福な家庭が多いということに入学をきっかけとして気付きました。それと同時にこのようなご時世でアルバイトも本来の計画通りの収入とはいかず、経済的にも精神的にも苦しい状態で学業や稽古に追われる日々を過ごしていました。

芸事を続ける中でいざプロの世界でやっていこうとするのであれば予想以上に雑費というものが掛かります。大学内でかかると予想していた着物をはじめとした費用だけでなく、先輩やお世話になった方たちへの御礼代やお菓子代などもかかってきます。このような古き風習を今まで継承してきたことは文化として素晴らしい事ですが、このようなことが経済的に貧困している家庭が伝統芸能を始めたり、続けることの難しさに繋がっているように思います。現代における伝統芸能の担い手の人口が減っていることと比例しているように感じ、家柄や血筋だけでなく心から伝統芸能を継承したいと思える人の選択肢を無くすようなハードルの高いものであることは、本来あってはならないのではないかと大学で勉強していく中で強く思うようになりました。

奨学金を頂けるようになってから、より毎日学業や稽古、また先輩の公演のお手伝いや鑑賞など様々な方面から勉強することが出来るようになりましたし、自分の「いま」を形成する中で何よりも大きい存在であったように思います。

この奨学金を通して自分の「みらい」が実りのあるもの、日本そして世界で日本の古き良き伝統を守り継承、発展させる担い手になりたいと思います。産学協働学生支援協会の皆様、この度は本当にありがとうございました。

東京都 Sさん

この度は、奨学金をして頂きありがとうございました。私は、将来看護師として細やかな部分まで患者さんの援助をしたいと思い、看護学部に進学いたしました。

今年は新型コロナウイルスの影響もあり、大学構内での講義の数がほとんどなく、大半がPC上での講義視聴に変更になりました。去年とは異なる実施方法だったため、当初は慣れることできず、ペース配分を間違えてしまうことも多々ありました。しかし、次第にPC上での講義視聴という形態に慣れていき、勉学に集中できるようになりました。

今年度は、小児・母性・老年看護学概論、薬理学、成人看護学Ⅱについて主に学んでいきました。小児特有の疾患やその疾患に対する看護の方向性、妊娠の過程、薬の副作用や麻薬の取り扱い方法、がん患者さんに対するかかわり方を実際の事例を通して考えていくことができました。さらに病院での看護実習がある予定だったのですが、病院での実施はできず、代わりにzoomを用いて模擬実習という形で2週間行いました。実際の病院実習では患者さんとのコミュニケーションを通して、人間関係構築や看護実践を学ぶことができるのですが、模擬実習では人間関係構築や看護実践は学ぶことが困難でした。しかし、病院実習では時間が足りずできない、患者さんの疾患について詳細な部分まで切り込んで調べ、考察・観察することができました。この作業の中で、患者さんの疾患を知っているうえで、その患者さんの個別性に着目する事で、よりよい看護を行うことができることを学ぶことができました。

患者さんの個別性に特化した看護を考える上で、その人が抱えている疾患は大切な情報であり、必要不可欠なものです。その疾患を深くまで調べ考えることができたのは、模擬実習だからこそではないかと思いました。この経験を活かして今後患者さんとの関わりで、重要視してよい看護を行っていきたいと思います。
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奨学生の声 2019年度

京都府 Tさん

私は、大阪から京都の大学に通っているため、毎月の定期代や文房具代等でバイト代の半分近くを占めていました。 また、一人暮らしではなく、母親に住まわせてもらっているので、家にもお金を入れなければ生活できません。 そうしていれば毎月手元にほとんど残らず、周囲のような時間やお金にゆとりのある大学生活とは違い、毎日が大変でした。 しんどいことは、入学前から覚悟はしていましたが、想像以上にバイトとの両立は厳しいものでした。 また、バイト代がいつもより少なかった時や、別途教科書代などが必要な時は、不足分を母親に借りる訳にもいかないので、祖母にお願いして借りるなどをしていました。 それでもしばらくの間、毎日学校かバイトという生活を送っていました。

しかし、この奨学金のおかげで、教科書代や定期代を無理なく支払うことができるようになったので、バイトの日数を変えずに時間を短くすることにしました。 その結果、勉強の時間を以前より多めに取るようにできるようになったので、前期よりも良い成績をとる事ができました。 それだけでなく、母親に出してもらっていた入学金を少しずつ返していけるようになりました。

入学当初は、ゆとりを持ちつつ、恩返しもできるような状態になるとは思っていませんでした。 もし、この奨学金がなければ、私は今も大変な毎日を送っていたと思います。 勉強と両立を継続してできていたのかと考えると、自分の体か教員になる夢のどちらかが先に壊れていたと思います。 大げさのように感じますが、人生が変わったと言っても過言ではありません。 将来、「教員になれたのは、この奨学金のおかげでもある。」と言えるように頑張っていきたいと思います。

東京都 Yさん

奨学金援助をしてくださり、本当にありがとうございます。 私の目標は医学に対して自分の専門分野としたい電気電子情報という分野からアプローチすることです。 学問を応用していくにはその分野の基礎的な知識を本当の意味で身につける必要があります。 しかしその前に、基礎的な数学を身につけること、そして普遍的な物理法則の理解が大切であると考えます。

今年は情報分野・半導体応用のための基礎的な量子力学へのアプローチのために線形代数学の理解、 電磁気・電気回路を数学的に記述するための微積分学の理解、 さらに電磁気学の電場の理解、電気回路の基礎的な回路解析の手法とベクトル・複素数を用いた交流回路の記述方法、 半導体応用のための基礎的量子力学、プログラミングとしてC ++の基礎的学習を行いました。

さらなる工学的内容として電気機器学・電気材料学・電気計測・制御工学・電気通信工学・集積回路工学などが存在しますが、 これらの基礎となるのは物理を記述するための数学と電磁気学・電気回路などの理学的側面であり、 今年はその基礎の理解に重点を置きました。

また、もう一つ重要なものとして、物理学実験がありました。 これは学科の勉強の中で最も時間が取られ、苦労しましたが、 自ら予習をし、実験の目的を理解し、原理を理解し、実験をして記録をし、レポートを書くという作業の中で、 大変鍛えられたと感じています。

実験の目的を明確にするのは非常に重要で、結論は必ず目的を踏まえて書かなければならないこと、 原理の理解ができていれば結果が妥当かの判断ができ、見当違いの結果が出た時に実験方法の間違いを見直すことができること、 あとで検証・考察をすることを意識して結果は書き留めなくてはならず、実験ノートの書き方は非常に重要であること、 考察では結果から導き出せない主張はしてはいけないこと、 原理での演繹的予想より結果つまりデータの方が上であることなど、 理科学において最も重要な論文を書くため必要な知識を自分で実験を重ねることにより理解できました。 理論の理解と実験により、自分の目標とする研究に対して着実に一歩近づくことができたと感じています。

東京都 Nさん

この度は、給付型奨学生に採用いただき、誠にありがとうございました。 産学協働学生支援協会の皆様には心から感謝申し上げます。

私は、将来教員として日本の教育をより良くしたいという強い思いで大学に進学いたしましたが、 母子家庭のため経済的に苦しく、アルバイトに追われ、思うように学業に取り組めない状況でした。

しかし奨学金をいただけるようになってからは、学業に専念することができています。 特に、昨年行われた教育実習では、生活費の心配をすることなく、実習に取り組むことができました。

実習では、教材研究など3か月以上かけて準備していったのにもかかわらず、 子どもの予想外な反応や考え方にたくさん翻弄されました。 今まで学んできた授業の工夫も、実際に自分が授業をするとなると全然上手くできませんでした。 失敗だらけでしたが、だからこそ教員という仕事の専門性を強く感じ、 尊敬の念を抱くと同時に私も教員として働きたいと今まで以上に思うようになりました。 また、実習を通して現場の先生の忙しさを目の当たりにし、大学生のうちに学ぶ時間をつくることの大切さを実感しました。 実際に授業をするという経験をしたこともあり、もっと多くのことを学んで自分の将来に活かしたいという気持ちになりました。 そのため、公立や附属の小学校の研究授業の見学に行き、実習前とは違う視点から色んな授業の形を学びました。

今年の春にはまた実習の機会があるので、まずはそこで学んだことを活かしたいと考えています。

今年の1月にはグループ研究として語彙学習に関する研究を、大学生を調査対象にして行いました。 教育現場では語彙の学習の際にはわからない単語をすぐ辞書で引くのではなく、自分で推測してみることが効果的だと言う人がいます。しかし、自分で推測して本当に正しい意味を導くことができるものなのだろうかという疑問をもち、始めた研究でした。調査の都合上、推測の正確性ではなく、推測する際に用語をマッピングすることの有効性の検証をすることになりましたが、マッピングをしないで、普通に読むだけの方が推測しやすいという予想外の結果になりました。この結果から、語彙学習の際の思考について単語のつながりより文脈の方が大事なのではないかといったような様々な仮説を立てることができ、非常に有意義な研究になりました。いち大学生の研究にすぎませんが、とても貴重な経験であり、自分の将来につながっていくものだと感じています。そう思えるのもお金の心配をすることなく、勉学に全力で取り組めたからだと思います。このように多くの学びに溢れている大学生生活を奨学金をいただいたおかげで、より充実させることができました。 私は、大学で学んだ様々なことを将来教員として活かすことは、より良い教育ひいては社会のためになると考えています。そのため、これからより一層学業に専念していきたいと考えています。産学協働学生支援協会の皆様、この度は本当にありがとうございました。